「VPSを契約したけど、どうやって操作すればいいの?」
「Linuxって、コマンドで操作するんでしょ? 難しそう…」
そんなあなた!大丈夫ですよ!Linuxコマンドは、基本を覚えれば、VPSの操作が格段に楽になります。今回は、VPSの操作に必須のLinuxコマンドを、初心者にも分かりやすく解説します。
なぜLinuxコマンドを学ぶのか?
VPSの操作は、基本的にコマンドで行います。
VPSの操作はコマンドが基本
VPSには、通常、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)がありません。そのため、CUI(キャラクターユーザーインターフェース)であるコマンドを使って操作します。
コマンド操作のメリット
コマンド操作は、GUIよりも高速に処理できます。
コマンドは、スクリプト化することで、繰り返し実行する作業を自動化できます。
GUIは、サーバーリソース(CPU、メモリ)を多く消費します。コマンド操作は、GUIよりもリソース消費が少ないため、サーバーの負荷を軽減できます。
サーバーにトラブルが発生した場合、コマンドを使って原因を調査し、解決することができます。
Linuxコマンドの基本
まずは、Linuxコマンドの基本を理解しましょう。
ターミナル(端末)
Linuxコマンドは、ターミナル(端末)と呼ばれるウィンドウに入力して実行します。
プロンプト
ターミナルを開くと、$や#などの記号が表示されます。これをプロンプトと呼び、コマンドの入力待ち状態であることを示します。
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$: 一般ユーザー
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#: rootユーザー(管理者権限)
コマンドの構文
コマンド [オプション] [引数]
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コマンド: 実行する処理の名前
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オプション: コマンドの動作を変更する
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引数: コマンドに渡す値(ファイル名、ディレクトリ名など)
オプションと引数
例:ls -l /home
ls がコマンド、 -lがオプション、 /homeが引数
ヘルプの表示(manコマンド、–helpオプション)
コマンドの使い方が分からない場合は、manコマンドや–helpオプションを使って、ヘルプを表示できます。
man ls
ls --help
ファイル・ディレクトリ操作
ファイルやディレクトリを操作するコマンドを紹介します。
pwd(現在地表示)
pwd
現在いるディレクトリ(カレントディレクトリ)のパスを表示します。
ls(ファイル一覧表示)
ls [オプション] [ファイル名/ディレクトリ名]
ファイルやディレクトリの一覧を表示します。
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-l: 詳細表示
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-a: 隠しファイルも表示
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-t: 更新日時順に表示
cd(ディレクトリ移動)
cd [ディレクトリ名]
指定したディレクトリに移動します。
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cd ..: 1つ上のディレクトリに移動
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cd ~: ホームディレクトリに移動
-
cd –: 直前にいたディレクトリに移動
mkdir(ディレクトリ作成)
mkdir [ディレクトリ名]
新しいディレクトリを作成します。
touch(空ファイル作成)
touch [ファイル名]
空のファイルを作成します。(ファイルの更新日時を変更するためにも使われます)
cp(ファイルコピー)
cp [オプション] [コピー元] [コピー先]
ファイルやディレクトリをコピーします。
-
-r: ディレクトリを再帰的にコピー
mv(ファイル移動・名前変更)
mv [オプション] [移動元] [移動先]
ファイルやディレクトリを移動、または名前を変更します。
rm(ファイル削除)
rm [オプション] [ファイル名/ディレクトリ名]
ファイルやディレクトリを削除します。
-
-r: ディレクトリを再帰的に削除
-
-f: 確認なしで強制的に削除(注意!)
rmdir(空ディレクトリ削除)
rmdir [ディレクトリ名]
空のディレクトリを削除します。
ファイル内容の表示・編集
ファイルの内容を表示・編集するコマンドを紹介します。
cat(ファイル内容表示)
cat [ファイル名]
ファイルの内容を全て表示します。
less(ファイル内容表示、スクロール可能)
less [ファイル名]
ファイルの内容を表示します。スクロールや検索ができます。
head(ファイル先頭表示)
head [オプション] [ファイル名]
ファイルの先頭部分を表示します。(デフォルトは10行)
-
-n [行数]: 表示する行数を指定
tail(ファイル末尾表示)
tail [オプション] [ファイル名]
ファイルの末尾部分を表示します。(デフォルトは10行)
-
-n [行数]: 表示する行数を指定
-
-f: ファイルの更新を監視し、追記された内容を表示
grep(ファイル内検索)
grep [オプション] [検索文字列] [ファイル名]
ファイル内から、指定した文字列を検索します。
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-i: 大文字・小文字を区別しない
-
-v: 指定した文字列を含まない行を表示
-
-r: ディレクトリを再帰的に検索
vi/vim (テキストエディタ)
高機能なテキストエディタです。
nano(テキストエディタ)
シンプルで使いやすいテキストエディタです。
システム管理
システムを管理するためのコマンドを紹介します。
ps(プロセス表示)
ps [オプション]
実行中のプロセスを表示します。
-
ps aux: 全てのプロセスを表示
top(プロセス監視)
top
実行中のプロセスをリアルタイムで監視します。
kill(プロセス終了)
kill [オプション] [プロセスID]
プロセスを終了させます。
-
-9: 強制終了
systemctl(サービス管理)
systemctl [コマンド] [サービス名]
systemdで管理されているサービスを操作します。
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start: サービスを開始
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stop: サービスを停止
-
restart: サービスを再起動
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status: サービスの状態を表示
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enable: サービスの自動起動を有効にする
-
disable: サービスの自動起動を無効にする
df(ディスク空き容量表示)
df [オプション]
ディスクの空き容量を表示します。
-
-h: 人間が読みやすい形式で表示
free(メモリ使用量表示)
free [オプション]
メモリの使用量と空き容量を表示します。
-
-h: 人間が読みやすい形式で表示
shutdown/reboot(システム終了/再起動)
sudo shutdown -h now # システムを終了
sudo reboot # システムを再起動
ネットワーク
ネットワーク関連のコマンドを紹介します。
ping(疎通確認)
ping [ホスト名/IPアドレス]
指定したホストとのネットワーク接続を確認します。
ifconfig/ip(ネットワークインターフェース設定)
# ifconfig (古い)
ifconfig
# ip (新しい)
ip addr
ネットワークインターフェースの設定を表示・変更します。
netstat/ss(ネットワーク接続状況表示)
# netstat (古い)
netstat -an
# ss (新しい)
ss -an
ネットワーク接続状況や、LISTENしているポートなどを表示します。
ssh(リモート接続)
ssh [ユーザー名]@[ホスト名/IPアドレス]
別のコンピューターにリモート接続します。
その他の便利なコマンド
find
ファイルやディレクトリを検索する
wget/curl
ファイルをダウンロードする
tar
ファイルをアーカイブ(圧縮・解凍)する
まとめ
今回は、VPSの操作に必須のLinuxコマンドを、初心者にも分かりやすく解説しました。
「Linuxコマンドは難しそう…」と思っていた方も、基本を覚えれば、VPSの操作が格段に楽になるはずです!
今回紹介したコマンドを参考に、ぜひVPSの操作にチャレンジしてみてください。
コマンド操作に慣れれば、VPSの活用の幅が大きく広がります!
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