中南米、アジア、アフリカの赤道周辺ではコーヒー栽培が盛んに行われています。これらの地域はコーヒー豆の栽培に適した温暖な気候を持つ「コーヒーベルト」として知られています。
ハワイのコナのように、条件が合えばコーヒーベルト外でも栽培は可能です。日本でも適切な環境を整えれば栽培できます。
ここでは、コーヒー栽培の条件と家庭での栽培技術について解説します。
コーヒーノキ栽培に必要な環境
コーヒーチェリーはアカネ科のコーヒーノキから採取され、これを精製し焙煎することでコーヒー豆が得られます。
家庭でコーヒーノキを育てる際に重要なのは、以下の四つの要素です。
- 必要な降水量
- 十分な日照
- 適切な気候
- 良質な土壌
1.必要な降水量
コーヒーノキは年間1500mmから2500mmの適度な降水量が理想的です。栽培には適量の雨が必要で、収穫期には乾燥が望ましいため、雨季と乾季がはっきりしている気候が適しています。
2.適切な日照
過度な直射日光は避けるべきで、一部の地域ではコーヒーノキを守るために背の高い木を植えて日陰を作ります。これらの木は「シェイドツリー」として知られ、コーヒーノキに適度な影を与えます。
3.理想的な気候条件
コーヒーノキは15℃から25℃の温度範囲を好みます。赤道近くの熱帯や亜熱帯気候では通常この範囲を超えてしまうため、500mから2500mの標高で栽培することが多いです。低温や霜には非常に弱いため、寒冷な環境ではすぐに枯れてしまうことがあるので、栽培は慎重に行う必要があります。
4.理想的な土壌条件
コーヒーノキは排水性に優れ、適度に保水性を持つ火山性土壌が最も適しています。コーヒーベルト地帯は多くが火山帯に位置するため、これらの高地には肥沃な土地が広がっています。そのため、世界の主要なコーヒー産地は赤道周辺に集中しています。
自宅でコーヒーノキを育てる方法
日本のようにコーヒーベルト外の地域でも、適切な環境を整えれば家庭でコーヒーノキを栽培することが可能です。日光と寒さに弱いので、室外よりも鉢植えの方が管理しやすく、その美しい光沢のある葉は観葉植物としても人気です。
自宅でのコーヒーノキ育成ガイド
1.栽培環境の設定
コーヒーノキは十分な光を受けていないと細く弱くなるため、明るい場所での育成が必要です。冬を除く期間は屋外に置くことが推奨されますが、直射日光は避けるべきです。日本の夏の暑さを考慮し、初夏から徐々に外の環境に慣らし、明るい日陰で管理します。
2.適切な土の選択
コーヒーノキは有機物を多く含む土を好みますが、腐葉土や堆肥の過剰な使用は虫が発生しやすくなるため、これらを10%から20%程度混ぜることが望ましいです。また、排水性の良い土壌が栽培に適していますので、適切な園芸素材を使って土壌を調整すると良いでしょう。
コメント