コーヒー好きが教えるエスプレッソの楽しみ方

エスプレッソの楽しみ方 コーヒーの豆知識

カフェでエスプレッソを注文したことはありますか?一般的にエスプレッソは苦いと感じられがちですが、イタリアでは広く愛されている飲み物です。良質なエスプレッソは苦味が控えめで、柔らかなフルーティーな香りが漂います。

この記事では、エスプレッソの味を最大限に引き出すイタリアの飲み方を詳しくご紹介します。

エスプレッソの基礎知識

エスプレッソは、専用マシンを使って高圧で短時間に抽出された濃いコーヒーです。イタリアのカフェ「バール」では、エスプレッソが基本となり、夜にはカクテルも提供されます。カプチーノやマキアートなど、すべてのコーヒーメニューがエスプレッソをベースに作られます。

コーヒー好きが教える正しいエスプレッソの飲み方

エスプレッソは通常のドリップコーヒーよりもかなり濃厚です。一口飲むだけで、香り高く濃厚な味わいが口いっぱいに広がり、長い余韻が続きます。ただし、苦味と酸味のバランスが崩れたり、不要な味が混ざると味が損なわれます。

エスプレッソの抽出は短時間で完了し、バリスタの技術が大きく影響します。豆の選定、ブレンド、挽き具合、タンピング技術が全て味に影響を与えます。

エスプレッソのスタイル:イタリア式とシアトル式

エスプレッソには、イタリア式とシアトル式の二つのスタイルがあります。シアトル式では、シロップやクリームを加えるために苦味の強い深煎りの豆が使われますが、イタリア式では苦味が少なく、バランスの良い酸味と自然な豆の香りが特徴です。

イタリアでは、エスプレッソに砂糖を加えてデザートのように楽しむ習慣があります。

クレマ|エスプレッソの味を引き立てる鍵

エスプレッソの魅力を際立たせるために欠かせないのが、滑らかな「クレマ」です。クレマとは、エスプレッソを抽出する際に豆の油分と二酸化炭素が反応して生じるクリーミーな泡の層のことを指します。

このクレマがエスプレッソの香りを閉じ込め、飲むときにその豊かな香りが広がります。質の良いクレマは、砂糖を加えるとその粒が一時的に浮かび、沈むとすぐに元に戻ります。クレマの質が良いエスプレッソは、飲み終わった後も長い間、香りと味わいが持続します。イタリアでは、クレマの質を向上させるためにロブスタ種を含む複数の豆をブレンドしています。

エスプレッソカップの形状が地域によって異なる理由

イタリアでは、エスプレッソは一般的に小さな卵形のカップで提供されます。この形状はエスプレッソをマシンから勢い良く注ぐ際にコーヒーがカップ内で適切に循環しやすくするために考案されました。

エスプレッソカップの理想的な条件

イタリアエスプレッソ国立研究所では、エスプレッソを最適に楽しむためのカップの条件を定めています。理想のエスプレッソカップは次の特徴を持っています。

  1. 白い陶器製
  2. 内側に装飾がない
  3. 楕円形
  4. 容量は50~100ml

北イタリアではコーヒーの香りをより感じるために薄いカップが、南イタリアでは風味を豊かにする厚いカップが使われることが一般的です。

イタリアのエスプレッソの楽しみ方

イタリアには数多くのバールがあり、これは日本の喫茶店の数を上回っています。エスプレッソは立ち飲みスタイルで楽しまれています。この手軽さで、バリスタが丹精込めて淹れたエスプレッソを味わうことができます。

イタリアの日常とエスプレッソ:1日に5〜6杯を楽しむ

イタリアの都市部で働く人々は、朝の通勤時にバールでカプチーノを飲みながら一日をスタートさせることが多いです。カプチーノは朝食代わりとして人気があります。その後も、日中に何度もエスプレッソを楽しむのが普通です。特に午前中、昼食後、午後の休憩時や夕方にバールを訪れることが一般的です。

エスプレッソは名前が示す通り「急速に」飲まれることが多く、イタリアでは素早く飲む文化が根付いています。注文してからすぐにバリスタが抽出し、消費者は数口で飲み干します。これはエスプレッソが抽出直後が最もおいしいとされるためです。

多くのイタリア人はエスプレッソに砂糖を加え、溶け残った砂糖を味わうのも一つの楽しみです。朝はエネルギー補給としてミルクをたっぷり使ったカプチーノを飲み、昼間はマキアートなどもよく飲まれます。

イタリアのエスプレッソ評価基準:10項目のチェックリスト

イタリアには「認定イタリアンエスプレッソ」と呼ばれるエスプレッソを提供する店があります。この認定は、イタリアエスプレッソ国立研究所によってエスプレッソの伝統と品質を保つために設けられています。

認定を受けた店では、エスプレッソマシン、専用グラインダー、資格を持つバリスタ、そしてコーヒー豆の品質が一定の基準を満たしている必要があります。評価される10の基準は次の通りです。

  1. クレマの色:ヘーゼルナッツ色から濃い茶色
  2. クレマのきめ細かさ:均一で密な泡
  3. アロマ:フルーティやチョコレートなど豊かな香り
  4. ロースト:適切な焙煎レベル
  5. コク:深みと丸みがある味わい
  6. 酸味と苦味:良いバランス
  7. 渋味:ほとんど感じられない
  8. 全体のポジティブな香り:心地よい香り
  9. 全体のネガティブな香り:不快な香りがないこと
  10. 飲み終わった後の余韻の持続時間

これらの基準によりエスプレッソの質は厳格に保たれています。

自宅でイタリア式エスプレッソを淹れる方法

自宅で本格的なエスプレッソを楽しむには、セミオートまたは全自動のエスプレッソマシン、あるいは直火式の「マキネッタ」を使用します。電動マシンは簡単に美味しいエスプレッソを提供し、手動マシンでは抽出プロセスをじっくりと楽しむことができます。

イタリア家庭で愛される「マキネッタ」

イタリアの多くの家庭で使用されている「マキネッタ」は、簡単に濃厚なコーヒーを淹れることができる器具です。この器具は「モカポット」とも呼ばれ、イタリアでは「モッカ」として親しまれています。マキネッタは操作が簡単で経済的、メンテナンスもシンプルです。

ただし、バールで提供されるエスプレッソと比べると、水分が多くクレマが少ないため、味わいは異なりますが、クリアでコクのある味が楽しめます。

家庭でのエスプレッソマシンの使い方

自宅でエスプレッソを淹れる方法を紹介します。まずエスプレッソマシンの水タンクに水を入れ、次にコーヒー粉をホルダーにセットします。一般的に1杯あたり7~10gのコーヒー粉が必要ですが、マシンによって推奨される量が異なるため、マニュアルを確認し適量を調整してください。

カフェでは挽きたてのコーヒー粉を使用しますが、家庭では購入したコーヒー粉を使うことが多いです。新鮮なコーヒー粉を使うと、クレマが美しく形成されます。

次に、ホルダー内でコーヒー粉を均等に広げ、軽く叩いて粉を均一に分布させます。その後、タンパーを使ってコーヒー粉を均等に押し固め、ホルダーの縁についた粉を払います。この過程でホルダーを叩くと、抽出時に水の流れが不均一になる「チャネリング」が起こる可能性があるので注意が必要です。

最後に、ホルダーをマシンにセットし、抽出ボタンを押します。抽出時間は20~30秒、目安となる抽出量は30mlです。

「マキネッタ」を使用したエスプレッソの淹れ方

「マキネッタ」、別名モカポットを使用したエスプレッソの淹れ方を説明します。まず、ボイラー部分に水を入れ、細挽きまたはエスプレッソ用の極細挽きのコーヒー粉をバスケットに入れます。コーヒー粉は押し固めずに均等に広げます。

次に、上部のサーバーを取り付けてゆっくり火にかけます。抽出が始まるとシューシューと音がしてコーヒーがサーバーに溜まります。抽出の終わり近くにポコポコという音がしたら火を止めます。

イタリアでは、マキネッタで淹れたコーヒーは朝にミルクを加えてカフェオレ風に楽しむのが一般的です。手軽に濃厚なコーヒーを楽しめるため、広く愛用されています。

イタリア流エスプレッソの楽しみ方

イタリアでは、エスプレッソは日常的に親しまれている飲み物です。カフェでエスプレッソを注文する際には、クレマの質を確認したり、砂糖を加えてデザート感覚で楽しむことも一つの楽しみ方です。

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